本国にいる子供(連れ子)を日本に呼び寄せたい方のための理由書の書き方をご紹介します
【この記事のポイント】
理由書には大きく分けて3つのことを書きます
1)なぜ、子ども(連れ子)を呼び寄せる必要があるのか
2)子ども(連れ子)を扶養できる経済力があること
3)いままで、子ども(連れ子)をどのように扶養してきたか
理由書に書く3つのポイント
入管のHPを見ると、提出書類として理由書(連れ子が扶養を受けなければならないことを説明したもの,適宜の様式) とあります。つまり、連れ子を育てる理由を書いたものです。
理由書はかならず用意しないといけません。
でも、何をどう書けばいいの?と、とまどってしまいますよね。そこで、理由書を書くときにかならずおさえておきたいポイントを3つをご紹介します。
1. なぜ、いま子ども(連れ子)を呼び寄よ よせる必要ひつようがあるのか
「扶養を受けなければならない」というのは、いいかえると、子ども(連れ子)を手元において扶養するため呼び寄せる必要があることです。
未成年の子どもがいるあなたは、親子そろって日本に来ることを望んでいたと思います。
しかし、連れてこなかったのは(あるいは、できなかったのは)、なんらかの事情があってのことでしょう。
日本での生活がおちついてから呼ぶつもりだったとか、来日したときは本国に子どもの面倒を見てもらえるかたがいたとか、子どもが祖父母になついていたとか、事情はさまざまでしょう。
でも、そのご事情が変わって子ども(連れ子)を呼び寄せたいと思うようになったのですよね。あるいは、呼び寄せる必要がでてきた。
どのように事情が変わったのでしょうか?
これを説明することが、そのまま子ども(連れ子)を呼び寄せる必要を説明することになります。
一口に事情が変わったといっても、さまざまでしょう。審査官を納得させる気持ちで書いてください。
とくに、つぎのケースは、連れ子を呼び寄せる必要性をしっかり書きましょう。
①子どもとはなれて暮くらしていた時間じかんが長ながい場合
何年も親子がはなれて暮らしているケースは、その間の交流状況が分かる証拠を提出しましょう。
親子で写っている写真があれば、子どもが成長していく様子が分かるような写真を数枚用意します。
また、子ども(連れ子)に会いに行ったことがわかるように渡航履歴もパスポートのコピーと一緒にまとめておくのもお勧めです。
入出国は入管で調べればわかりますが、あなたの方から提出することで審査官の印象はきっとよくなります。
②子ども(連れ子)が18歳以上の場合さいいじょう ばあい
子ども(連れ子)が学校に通っていないと難しいかもしれません。
子ども(連れ子)が働いている場合は、呼び寄せはできません。子供(連れ子)は経済的に独立しているからです。
学校に通っている場合は可能性が高くなります。連れ子が通っている学校の在学証明書をかならず用意してください。そして、日本に呼び寄せた以降の連れ子の活動予定(学校への編入、日本語教育、進学など)を説明します。
呼び寄せるのはあくまで連れ子の扶養が目的でなければなりません。
子どもを呼び寄せるのは働かせるのが目的ではなのでは?と入管に疑われないことが大切です。
2. 子ども(連れ子)を扶養ふようできる経済力けいざいりょくがあること
養育する親に扶養できるあるていどの経済力があることが必要です。経済力とは収入や預貯金などの資産のことです。
経済力は世帯単位(いっしょに暮らしている家族の合計)で判断されますので、とも働きの場合は夫婦それぞれの収入や資産について提出したほうが有利になります。
また、自営業や農業の場合で年度によって収入に変動が多いケースは、説明が必要でしょう。
経済力は、子どもを呼び寄せるのは日本で働いてもらうことが目的ではないことを、証明するために必要だと考えてください。
3. いままで子ども(連れ子)をどのように扶養ふようしてきたか
あなたの収入が十分とはいえなくても、あなたと子どもの結びつきが強ければ強いほどプラスに判断してくれます。
それほど、いままでの扶養の実績が大切なのです。
親子がはなれて生活していても、精神的、金銭的なサポートが続いていたかどうかが判断されます。
金銭的サポート
金銭的なサポートとして送金している方は多いのですが、そのほとんどが銀行送金を利用していません。もし、銀行送金していたなら送金の控えを必ず提出してください。
現金をEMSなどで送っていた場合は説明が必要です。EMSの控えも提出してください。
精神的サポート
精神的サポートはまさに言葉で説明しなければ伝わりませんから、具体的かつ詳細な説明をしてください。
たとえば、子が学校で問題行動を起こしたとき、あるいは病気になったとき、どのように対処したかなど、たとえはなれて暮らしていても、あなたが子の精神的支えとなっていたことを具体的なエピソードを交えて説明してください。
金銭的サポートの証明ができない場合は、精神的サポートをよりくわしく、具体的に書くことが必要でしょう。
立証資料りっしょうしりょう (外国語で書がいこくご かかれているものは日本語訳が必要にほんごやく ひつようです 有効期限は発行ゆうこうきげん はっこうから6か月です)
親子関係および親権があなた(子供の親)にあることを証明するもの
親子関係は、出生証明書、出生医学証明、洗礼証明書で、
親権は、中国の場合であれば「民事調解書」「離婚協議書」、フィリピンの場合は、婚姻無効などの判決文。
ただし、フィリピンの場合、親権を証する書類がなくても許可になったケースがあります。
海外では単独親権という考えは少数派ですので、親権を証する書類は必要ないのかもしれませんが、わたしは可能であれば提出するようにしています。
子の出生から現在にいたるまでの養育実績(渡航歴があればパスポートのコピー、銀行送金の控え、電話履歴、メール、LINE、EMS、スナップ写真など)
世帯収入や所有する資産(預貯金の残高証明書や不動産登記簿など)
まとめ
連れ子を呼び寄せるときのキーワードは、「扶養」です。くり返しますが、理由書に書くのは次の3点です。
1. なぜ、子ども(連れ子)を呼び寄せる必要があるのか
2. 子ども(連れ子)を扶養できる経済力があること
3. いままで、子ども(連れ子)をどのように扶養してきたか
一日も早く、あなたのお子さんが来日できるよう頑張ってください。
疑問が解決しなかった方へ
新潟市中央区女池南2-2-10-2C 佐々木行政書士事務所
(2016.11.8/11.22/12.27一部改訂)
(2017.3.31加筆)
(2021年4月30日改訂)