退職して就職活動をするとき、入管にどのような手続きが必要なのか。会社都合と自己都合、在留期限前と期限が近づいてきたとき、あわせて資格外活動許可について場合に分けてご説明します。
1.会社都合で退職したら
(1)在留期限前
ア.活動機関に関する届出
日本での就労を希望して就職活動する方は、退職後14日以内に退職したことを届けてください。【活動機関に関する届出(入管HP)】
在留期限まで、現在の在留資格のまま就職活動をおこなえます。
また、就職活動をおこなっていることを証明する書類、たとえばハローワークカード、企業面接をうけたことがわかる書類、企業からの不採用通知などは後日のために保管しておきます。
これは、仕事をしていないことを理由に在留資格を取り消すと入管から言われたとき、「正当な理由」を証拠立てるためでもあります。また、在留期限が迫ってきてさらに期限を延長して求職活動をする場合に必要です。
イ.資格外活動許可
入管で資格外活動許可申請をしてください。アルバイトで生活費をかせぐ場合に必要です。単純労働もできる包括的許可がもらえます。
申請時に、雇用保険被保険者離職票、退職証明書、健康保険・厚生年金資格喪失証明書を提出して、会社都合で退社したことを証明してください。
(2)在留期限が近づいてきたとき
ア.特定活動に変更
在留期限が近づいてきて、まだ就職先が決まらない場合は、在留期限がすぎるまえに在留資格の変更許可申請をします。会社を辞めているので現在の在留資格では期間更新ができないからです。
このとき、雇用保険被保険者離職票、退職証明書、健康保険・厚生年金資格喪失証明書など会社都合での退職であることを証明するものを提出します。
さらに、就職活動を継続していることを証明するものとして、ハローワークカード、企業面接をうけたことがわかる書類、企業からの不採用通知などを提出します。
特定活動は6か月、認められます。
イ.資格外活動許可
もとになる資格が、技人国から特定活動にかわりましたので改めて資格外活動許可をうけます。
2.自己都合で退職したら
(1)在留期限前
ア.活動機関に関する届出
日本での就労を希望して引き続き就職活動をする方は、退職後14日以内に退職したことを入管に届出でてください。【活動機関に関する届出(入管HP)】
在留期限まで、現在の在留資格のまま就職活動をおこなえます。在留資格変更の必要はありません。
ただ、客観的に就職活動をおこなっていることを証明する書類、たとえばハローワークカード、企業面接をうけたことがわかる書類、企業からの不採用通知などは保管しておきます。のちの手続きで必要になる場合があるからです。
たとえば、仕事をしていないことを理由に在留資格を取り消すと入管から言われたときに「正当な理由」を証拠立てるためです。
イ.資格外活動許可
自己都合退社のばあい、資格外活動許可はおりません。
自己都合か会社都合なのかは、雇用保険被保険者離職票に書かれている文言で判断されます。
たとえ会社から解雇されたのだと口で説明しても、雇用保険被保険者離職票に「一身上の都合」と記載されていれば、入管は自己都合と判断します。
いくら事情を説明しても、会社都合であると取扱ってもらうことは困難です。
このばあい、ハローワークに異議を申し立てるか、直接会社と話し合う以外にありません。退職時に雇用保険被保険者離職票をよく確認しておいてください。
(2)在留期限が近づいてきたとき
ア.短期滞在に変更
在留期限が近づいてきて、まだ就職先が決まらない場合は、在留期限がすぎるまえに在留資格の変更許可申請をします。会社を辞めているので期間更新ができないからです。
このとき、先にあげた書類(雇用保険被保険者離職票、退職証明書、健康保険・厚生年金資格喪失証明書)を提出します。
さらに、就職活動を継続していることを証明するものとして、ハローワークカード、企業面接をうけたことがわかる書類、企業からの不採用通知などを提出します。
短期滞在90日が、認められる可能性があります。
イ.資格外活動許可
もとになる資格が、技人国から短期滞在にかわりましたので改めて資格外活動許可をうけます。
ただし、いわゆる単純労働はできません。技術・人文知識・国際業務などに該当する活動に限られます。
3.まとめ
以上、自己都合による退職は会社都合とくらべて、在留資格の変更の場面、資格外活動許可の場面で不利になることをご説明いたしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。