入管申請がうまくいかなかったときの備えをしていますか。
ご自身で申請するのであれば入管申請の一件書類のコピーは必ず保管する。行政書士に申請書類の作成を依頼する場合は、コピーをもらっておくか、いつでも借り出せるようにしておきましょう。
【この記事のポイント】
- コピーが必要な理由
- ①入管からの問い合わせに対応するため
- ②申請がうまくいかなかった理由を確認するため
- ③再申請のため
コピーが必要な理由
入管からの問い合わせに対応するため
申請後に提出した書類の内容について、入管から問い合わせがくることがあります。
実際にあった例です。
「提出された電話履歴に複数の海外からの電話番号が乗っているのでそれぞれ誰の電話番号なのかを教えてほしい」と、入管から文書にして提出するようもとめられたことがあります。
はじめに本人が申請したケースでした。提出書類のコピーを取っていなかったため、電話履歴は手元になく、どの電話番号からかかってきたのかわからない。本人の記憶では海外からかかってきた電話はひとつだけ。電話会社では保存期間を過ぎ、携帯の履歴も残っていません。本人も全く心あたりがない。
コピーさえ残っていれば調べて回答できたのですが、それもできず結局はっきりとした回答はできませんでした。
心象は悪かったと思います。
申請がうまくいかなかった理由を聞くため
申請が不交付や不許可となると、申請人(申請した法定代理人や申請を取り次いだ行政書士)は入国審査官からその理由をきくことができます。
コピーがあれば審査官が具体的に申請書のどの部分を問題視していたのかをよりハッキリさせることができます。
審査官の指摘にたいし、提出した書類のどの部分ですか?と聞き返すことも可能です。
具体的にどの部分かがわかれば、その場でマーカーでしるしをつけておきます。こうすれば後の対処が楽です。
再申請のため
再申請するときは、マーカーでしるしをつけた部分を重点的にフォローします。こうすることで、的外れな内容の再申請をさけることができます。
入管が問題視している部分を、証拠に基づいて訂正するか、合理的な説明をする以外に再申請が成功することはありません。何度も申請して熱意を示せばなんとかなるものでは決してありません。問題とされた部分の特定がたいせつな理由です。
このほかに、前回申請の内容との矛盾をさけることができます。記憶はあいまいです。時間がたてばどんなに頭のいい人でも忘れたり、あやふやになります。そんな記憶をたよりに前回と同じことを書いたつもりになっても、実は違っていた。申請に矛盾があることは少しおおげさですが致命的です。
このようなミスは絶対にさけなければなりません。
まとめ
あらかじめ申請がうまくいかないことを想定して準備するなんて、と思われるかもしれません。でも、実際そうなったときにコピーをとっておけばよかったと悔やんでも遅いのです。
くどいようですが、保険と思ってコピーを取っておくことをお勧めします。
ご参考になれば幸いです。
(2021年4月30日改訂)