こんにちは、ビザ新潟コンサルティングです。
「記載が虚偽と知りながら訂正せずビザ申請したことが問題」「訂正できなければ今後も許可は不可能」ある新聞社のネット配信記事で目にとまった入管のコメントです。
記事は、不許可の決定をしたことについて述べたものです。子供のビザの変更を求めたシリア人の親のケースでした。
記事によると、原因は提出した書類の記載にありました。書類では娘の生れた年が実際と1年違っていて、このシリア人親の来日の時期からみると実子ではない。嘘の書類を出した、というのが不許可の理由のようです。
1.提出する書類はよくチェックしてから
よかれと思って提出した書類が仇(あだ)となる、というケースはよくあります。
おそらく、このシリア人親は娘との親子関係を証明する出生証明書などを提出したと思われます。
ただ、生年月日と出入国年月日の整合性をチェックしていなかったのでしょう。このケースでは、親の出入国記録と子の誕生日のチェックを落としてしまっていた。
海外で作成された書類は、たとえ公的な書類であってもミスがあるケースがかなりあります。
入管にとって書類の信憑性は、申請人の信憑性とイコールといってよいかもしれません。
つまり、ある書類が正確なのだから他の書類も信憑性もある、しかし、ある書類が正確でないと当然、他の書類も信憑性なしとなる傾向があるように感じます。
そして、一旦書類の信憑性を疑われると、その書類だけではなく申請人も信憑性なしとなり、この結果、申請人の申請内容はすべて信憑性なしといった、なんとも理不尽な理屈ですがビザ申請は通らないことになってしまいます。
ですので、提出する書類はすみずみまでチェックしなければなりません。
そして、もし書類の生年月日が違うとわかれば、本国の機関でミスを訂正したものを再度取り寄せて提出してください。
訂正がむずかしい場合は、ビザ申請の段階で生年月日が違うけれどもその理由はかくかくしかじか、と説明文を添付すれば問題は生じなかった思います。つまり、不都合な事情はまずこちらか伝えるという姿勢が入管の印象を変えるケースもあります。
入管が間違いに気づかず結果オーライもあるでしょうが、重箱の隅をつつくようなまじめで優秀な審査官にあたるとこんなことになりえます。
少しでも有利になればと、いろいろ資料を提出するのはいいことです。どんどん出すべきです。
でも、一旦提出したらすみずみまでチェックされることを想定したうえで提出してください。
つまり、提出する書類はこれでもか、これでもか、くらいにしっかりとチェックしてください。とても大切なことです。
2.有利な書類は提出理由をつけて積極的に提出してみる
入管のHPに書かれているものしか出さないという姿勢がいいのか、積極的にアピールするため他の書類も出すという姿勢がいいのか、どちらがいいのでしょうね。
一字一句まで、そして複数の書類間も丁寧にチェックして事実と相違ないのであれば、私は、積極的に有利な事情として様々な書類を提出してアピールするようにしています。
そして、HPに書かれていない書類を提出することになるわけですから、審査官に対してこの書類はこれこれの事実を裏付けるものとして提出することをひと言添えることをお勧めします。
くどいようですが、チェックするときは、名前のスペル、住所、生年月日などに特に気を付けて、すこしでも違う場合は対処が必要です。また、事実関係の年月日も重要です。他の提出書類の記載と整合しているかどうかを必ずチェックしてください。
なお、話はかわりますが、私はとくに強調したい箇所、アピールしたい箇所はマーカーを使うようにしています。
3.書類が訂正できないときの対処法
次に、チェックしたらいろいろ事実と異なるところが出てきたときの対処法です。
国によっては書類の訂正ができないこともあります。そんなときは、なぜ訂正ができないのかを、外国の役所からよく聞いて入管に説明する文書を提出してください。
これは外国の文書に限らず、日本の役所から発行された文書でも同様です。
なぜ、そのような記載がされたのかを十分に説明すればよいのです。この点冒頭の新聞記事の「訂正できなければ今後も許可は不可能」は少し言いすぎです。
過去、中国の戸口簿にミスがあったことがありました。関係者から聞き取りをして、合理的な説明(審査官が納得できる説明)ができるかどうか吟味したうえで、説明書を添付して許可がおりたことがあります。
なお、事実と異なると知っていながら、気づかれないだろうと安易に考えて提出するのは論外です。
最後に
1.書類はすみずみまでチェックする。
2.事実と異なれば訂正してから提出する。
3.訂正が難しければ、その理由を書面にして提出する。
をぜひ心がけてください。
お読みいただきありがとうございました。