事業計画書は単なる紙きれ
事業計画書は、それだけなら単なる紙きれです。そんなものに時間と労力を傾けても報われません。
会社が新規事業を計画していて、そのために技術・人文知識・国際業務ビザで外国人社員を採用する、あるいは、起業を考えている外国人が経営管理ビザに変更する。
こんなときはまず、詳細な事業計画書を作ることが大切だ、とよく言われているところですが、私はそうは考えません。
理由は簡単で、そんなものはいくらでも作ることができるからです。
証拠がすべて
入管が知りたいのは詳細な事業計画書ではなくて、事業計画書に記載されていることの裏付け、証拠です。
証拠に裏打ちされた事業計画書でなければ誰もその内容を信用しないでしょう。反対に、事業計画書の体裁や文言が少々拙くても、しっかりとした証拠が添付されていればその内容に信用を置いてもらえるはずです。
結局、裏付けとなる証拠が十分であれば許可、不十分なら不許可になります。事業計画の実現可能性は将来のことは誰にも分からないのですから、裏付けがあるかどうかで判断するしかありません。まして入管は事業計画を評価できる専門家でもありません。
一見して立派な事業計画であっても、それを裏付ける証拠がそろっているか、そろっていないかによって事業計画の評価が決まるというそれだけのことです。シンプルに考えましょう。
入管は回りくどい
入管は不許可理由を伝えるとき、「証拠をだせ」とはいいません、回りくどく「実績がない」「計画に具体性がない」といいます。
「新規事業だと言っているのに、無理なことを要求するな、一体何を言っているのか!」と思った方は多いはずです。
入管は「申請が嘘でないなら証拠をだせ」といっているのです。(実はこれはどんな申請にも当てはまります。)
証拠がすべてです。
これでも証拠になるはず
では、新規事業なのにどうやって証拠を揃えたらいいのか?
新規事業を考えている方は、ただ頭の中だけで計画を練っているわけではないはずです。
事業所を借りる交渉、仕入先、売上先のどの取引先となる会社の選別や交渉、貿易であれば通関、倉庫などの業者との交渉、他にも様々準備が必要になってくるはずです。
これらの交渉の経緯をメールや文書などに残しておくこと、準備段階の活動を裏付ける証拠を保存しておくことが証拠になります。とにかく、準備が進んでいることを裏付ける証拠を保管しておくことが大切です。
契約まで至っていないとしても、交渉の経緯をみて交渉が成熟していることが分かれば効果はあるはずです。
当たり前なことほど、うっかりして証拠集めがおろそかになることがあります。自戒の念を込めて書きました。
ご参考になれば幸いです。