もし在資格取消し手続きが始まると、どうなる?

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前回は、どんな場合に在留資格が取消されるかと、取消されないための「正当な理由」をみました。今回は、在留資格の取消し手続き開始から終了、そして終了後まで俯瞰します。

目次

通知

在留資格の取消しは、国から一方的に取消しを通告されるわけはありません。

まず最初に、入管に出頭する期日を指定した通知(意見聴取通知書)が送られてきます。これに応じないと本人不在のまま取り消されてしまいます。どうしても、行けない場合はあらかじめ入管に連絡してください。

期日に出頭すると入国審査官から意見の聴取があります。

防禦方法

対象とされた外国人には防禦する権利があります。

  • 在留資格の取消しの対象となる外国人の方に対し、入国審査官は当該外国人の意見を聴取しなければなりません。
  • 意見の聴取に当たって、当該外国人は意見を述べ証拠を提出し、又は資料の閲覧を求めることができます。
  • 意見の聴取に当たって、当該外国人は代理人を選び,本人に代わって意見の聴取に参加することができるように求めることができます。

※ 入管法の実務(新日本法規 山脇康嗣 新版)には、活用すべき手続ツールとして次の3つがあげられています。
 ①資料閲覧申出 ②意見聴取期日変更申出 ③行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求

代理人になれる人

  • 未成年の親権者
  • 後見人等の法定代理人
  • 在留資格取消対象者が代理人として委任した弁護士

結果

在留資格取消通知書の送達は,在留資格取消対象者の住居地に対する送付や当該外国人本人に直接交付する方法等によって行われます。

在留資格が取消されたあと

退去強制

悪質性が高い場合・・・留資格が取り消された後,直ちに退去強制の手続が執られます。

  • 上陸拒否事由に該当していることを偽った場合
  • 申請人が日本での活動内容や経歴を偽った場合
  • 本来の在留資格に基づく活動を行っておらず,かつ,他の活動を行い又は行おうとしている場合で逃亡すると疑うに足りる相当の理由があるとき

出国準備期間内に出国

悪質性が高くない場合・・・在留資格を取り消される際に,30日を超えない範囲内で出国するために必要な準備期間(出国猶予期間)が指定され,同期間内に自主的に出国することになります。

  • 申請人以外の者が事実と異なる文書等を提出した場合
  • 本来の在留資格に基づく活動を継続して一定期間行っていない場合
  • 中長期在留者が住居地の届出を行わない場合
  • 虚偽の届出をした場合

なお、在留資格の取消しの際に指定された期間内に出国することは,在留期間内に出国する場合と同様に取り扱われます。

※ つまり、上陸拒否などのペネルティーはありません

出国準備期間内に再申請できるか

在留資格の取消し後の出国準備期間に、在留資格の変更申請は受け付けない扱いとなっているようです。いったん出国して、在留資格認定証明書を得てから入国するほかありません。

2019年の在留資格の取消し件数

出典:出入国管理統計2019年 (表番号)19-00-33 から抜粋

全国 993名

内訳:

  • 虚偽や不正の手段で許可を得たもの  153名
  • 入管法別表第1の上欄の在留資格(注)をもって在留する者が,当該在留資格に係る活動を行っておらず,かつ,他の活動を行い又は行おうとして在留している場合 376名
  • 入管法別表第1の上欄の在留資格(注)をもって在留する者が,当該在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合 430名
  • 「日本人の配偶者等」の在留資格をもって在留する者又は「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する者が,その配偶者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合 22名
  • 住所を移動して90日以内に届けなかった場合 1名

(注)入管法別表第1の上欄の在留資格
「外交」,「公用」,「教授」,「芸術」,「宗教」,「報道」,「経営・管理」,「法律・会計業務」,「医療」,「研究」,「教育」,「技術・人文知識・国際業務」,「企業内転勤」,「興行」,「技能」,「技能実習」,「文化活動」,「短期滞在」,「留学」,「研修」,「家族滞在」,「特定活動」

ご参考になれば幸いです

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