事業規模を出資金の要件で申請する場合は調査されますが、出資金以外の要件で申請する場合は調査されません。
500万円の出所の調査
経営管理ビザにおいて、申請人自身による出資は要件ではなくなりました。
とはいえ、これは申請人自身の資格該当性を判断する場合に限ってのことです。もう一つの基準、上陸許可基準には500万円要件がまだ生きています。
それは事業の規模にかんしての基準です。
【上陸基準省令から抜粋】
二 申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること。
- イ.その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する二人以上の常勤の職員(中略)が従事して営まれるものであること。
- ロ.資本金の額又は出資の総額が500万円以上であること。
- ハ.イ又はロに準ずる規模であると認められるものであること。
二号イ
イ.に該当するとして申請をだせば500万円についてはもちろん、その出所についても調査されません。そもそもイでは500万円は要件ではないというのが理由です。
二号ロ
ロ.に該当するとして申請を出す場合は、単に資本金や出資が500万円以上であることだけではなく、その出所まで詳細に審査されることになります。(見せ金を排除するための実務運用と思われます。)
二号ハ
ハ.については明らかではありませんが、イとロの合わせ技のような場合ですので、ロの性格を引き継いでいると考えて、出資金の出所は審査されることになるでしょう。
立証資料
登記事項証明書に資本金500万円とあるから大丈夫、というわけにはいきません。出資金の出所を証明するものとして以下のものを提出します。
- 預金通帳(国内からの送金の場合)
- 被仕向送金到着案内(海外からの送金の場合)
- 支払手段等の携帯輸入申告書(海外から現金持ち込みの場合)
- 金銭消費貸借契約書(借入金の場合、この場合は貸主と借主の関係も明らかにすべきでしょう)
- 出資者の収入の証明書(上記のものがなにも用意できないときの最後の手段)
これら以外にも立証資料があるかもしれませんが、とにかく資本金の出所は明確にしておく必要があります。
まとめ
ロ.又はハ.のケースで申請する場合には注意が必要です。
留学生が起業して経営管理に変更するケースでは資本金の出所が、資格外活動との関係で厳しく見られることはよく知られていますが、留学生に限らずすべてのケースで厳しく見られていることをお忘れなく。
ご参考になれば幸いです。
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佐々木行政書士事務所
経営・管理、出資金を調査しないケース