在留特別許可の判断にプラスとなる事情とマイナスになる事情(2021年7月公表分から)

在留特別許可
在留特別許可

公表されている許可事例、不許可事例を各項目ごとに件数で表しました。

たとえば、発覚理由に出頭申告(3)とあるのは、許可事例5件の内、出頭申告であったものが3件あった、という意味です。不許可事例にも出頭申告したものが2件あります。警察逮捕をみますと、許可事例では1件、不許可事例では3件です。このことから、出頭申告は許可方向にプラスとなる事情であり、警察逮捕はマイナスとなる事情であるとおよその見当をつけることができます。

夫婦間に未成年の子がいることはプラスになる事情といえそうです。

このようにして見ていくと、違反態様が同じ売春従事でも、許可と不許可に分かれるのはその他の要素のプラス方向とマイナス方向を合計した結果、どちらに振れるかという判断がなされていることが分かります。

配偶者が日本人の場合及び正規に在留する外国人の場合

外国人家族の場合は、出頭申告のありなし、子の出生地で判断が分かれているように読めます。

外国人家族の場合、許可・不許可

その他、許可・不許可

入管がこのような事例を公表している理由は、在留特別許可が適切に運用されていることを示すと同時に、正規の在留資格が付与される事例を示すことで、出頭申告を促す意図も含まれているのだと考えます。

こう考えると、事例数はわずか38例ですが、選りすぐった、分かりやすい事例が公表されているといえそうです。


参考資料:出入国在留管理庁ホームページ、在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例について(令和2年)
http://www.moj.go.jp/isa/content/001351979.pdf