【この記事のポイント】
- 在留資格認定証明書は入国を保証するものではありません
- 在外公館からは問い合わせがあるものとして準備してください
在留資格認定証明書は入国を保証するものではありません
在留資格認定証明書は、「入管法に掲げる上陸のための条件に適合していること」を証明するものです。
日本に入国するためには、さらに
① 在外公館において査証(ビザ)を取得する
② 出入国港で入国審査官から上陸許可を受ける
を経てはじめて入国が可能になります。
ですので、在留資格認定証明書が交付されたとしても絶対に入国できるとはかぎらないことに注意が必要です。
問題が発生しやすいのは、①の在外公館において査証(ビザ)を取得する場面です。
在外公館からは問い合わせがあるものと準備してください
経験上、査証(ビザ)を発給してもらう段階で問題となったことが2回あります。
ひとつは、査証(ビザ)の発給が拒否された事例で、もうひとつは審査に1か月以上かかった事例です。
いずれも、在外公館から申請人や申請人の家族に電話で問い合わせがあったものの、応対でトラブルになったものです。申請人の家族によると、とても無礼な対応だったようです。
一般に以下の事情が疑われると査証(ビザ)は発給されません
- 渡航目的が入管法の「本邦において行うことができる活動」に適合しない場合
- 渡航目的が入管法の上陸許可に係る法務省令基準に適合しない場合
いずれも、在留資格認定証明書の交付申請時に入管から審査されていることなのですが、在外公館は独自の立場から再び審査します。
査証(ビザ)の発給が拒否されると
一旦、査証(ビザ)の発給が拒否されると同じ申請は6か月間できません。この間に在留資格認定証明書は期限切れとなりますので、再びこの証明書の交付申請から始めなければなりません。
それ以上に、やっかいなのは、在外公館で査証(ビザ)を発給すべきかどうか疑わしい事案については、外務省を通じて法務省に連絡が来て協議が行われ、申請者にとって消極的事情が両者で共有されることです。
そうなると、再び在留資格認定証明書の交付申請をしたところで、法務省つまり入国管理局は在留資格認定証明書を交付することに大変慎重になってしまいます。
したがって、一度査証(ビザ)の発給が拒否されると再申請しても証明書が交付される可能性は非常に低くなります。
査証(ビザ)の審査に時間がかかっている
通常、ビザは申請してから1週間以内に何の問題もなく発給されます。
しかし、時間がかかっている場合は、在外公館で何等かの点が問題視されていると考えなければなりません。
この状態のまま、外務省を通じて法務省との協議まで進んでしまうと、ほとんど発給拒否の方向で処理される恐れがありますので、早急な対処が必要です。
申請人に連絡をとり、在外公館とどのようなやりとりがあったのかを確認したうえで対策を立ててください。
(この事例では、身元保証人の方に直接在外公館に電話してもらい事情を説明しました。ただ、現在は申請人本人以外からの問い合わせは受付けていないようです。)
まとめ
在外公館でのビザ発給でつまずかないためにも、代理申請機関には在留資格認定証明書の交付申請で使用した書類(申請書、質問書、理由書)などを受理してもらって、在外公館への提出を依頼してください。