みなし再入国の意外な落とし穴

みなし再入国は便利な制度です。ただ、安易にみなし再入国制度を使ってしまうと、のちの在留審査でマイナスになる方もいます。

1. みなし再入国制度の利用を控えるべき方

  • 日本人の配偶者等、永住者の配偶者等ではあるものの、配偶者と離婚した方
  • 技術・人文知識・国際業務、技能、特定技能などの就労資格ではあるものの、会社を辞めて無職の方
  • 留学の在留資格ではあるものの、学校を退学、除籍となった方

2. 資格該当性がない

上記のケースはいずれも在留資格で認められている活動をしていません。これを「資格該当性がない」といいます。

たとえば、日本人の配偶者等の在留資格は、日本人と結婚している外国人に認められるものです。すでに日本人の夫や妻と離婚している方は配偶者としての活動をしていませんので、資格該当性がありません。

また、技術・人文知識・国際業務などの在留資格は、日本にある会社と契約して働く外国人に認められるものです。すでに会社を辞めていて、その後、再就職していない方は資格該当性がありません。

学校を退学・除籍となった留学生も同様、資格該当性はありません。

「在留カードの期限まで、まだある」からといって「期限までは資格資格がある」ことにはなりません。

在留カードの期限までまだあったとしても、資格該当性がない状態が長くつづくと(3か月、もしくは6か月)在留資格は取り消されることもあります。

4. みなし再入国制度では、資格該当性は審査されない

みなし再入国制度を利用すると上陸審査が簡素化されます。

このため、本来の上陸審査がなされていれば入国はできない方もとくに問題なく入国できてしまいます。

これは再入国許可をもっている人には、上陸審査で資格該当性のあるかどうかの審査をする必要がない、という制度のしくみがあるためです。

5. みなし再入国が虚偽の申告と判断され、のちのちに悪影響が

みなし再入国制度を利用することは、出国するまえと同じ在留資格でふたたび在留しようとする意思表示です。

ところが、在留資格の該当性がすでに失われているのにこのような意思表示をすることは上陸審査にあたって虚偽の申告をしたと入管は考えます。

たとえば、日本人と離婚した外国人が、日本人の配偶者等としてみなし再入国制度を利用して入国することは、日本人の配偶者ではないのに日本人の配偶者と偽ったと判断されるのです。

虚偽の申告は、その後の在留審査でかなりのマイナス評価をうけます。

とくに、資格該当性がないにもかかわらず、みなし再入国制度を「くりかえし」利用していると、その後の更新や変更の在留審査においてかなり厳しい判断がされるかもしれません。

6. 結論

資格該当性がない期間にみなし再入国制度を利用することは、避けるのが賢明です。

 

ご参考になれば幸いです。

新潟市中央区女池南2-2-10-2C

佐々木行政書士事務所

 

 

 

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佐々木啓

入管申請は、人生に関わる仕事であることを肝に銘じ取り組んでいます。