在留資格の取消し件数が去年の2倍に

日本経済新聞によると在留資格の取消し件数が800件を超え去年から倍増しているそうです。在留管理は間違いなく厳格化の方向にあります。新制度「特定技能」とあわせてコメントします。

1.特定技能はアメとムチ

今年4月から始まった「特定技能」の制度に象徴されるように、「アメとムチ」の在留管理制度がいよいよ本格化しているとの印象を持ちました。

「特定技能」は、高度に専門的な知識や技術を必要とはしないまでも、ある程度の知識・技能が求められる在留資格。「技能実習」より一歩すすんだ知識・技能が求められる在留資格です。

つまり、「技術・人文知識・国際業務」と「技能実習」の間というイメージです。「技術・人文知識・国際業務」で働く外国人は完全に自立した労働者、これに対し「技能実習」は未熟練の労働者(タテマエは労働者ではありませんが)です。未熟練だからこそ受け入れる企業にはさまざまな縛りがあります。つまり、技能実習生に十分な配慮をして保護するしくみが用意されているのです。

では、「特定技能」はどうか。転職が可能であるなど自立した労働者という一面はあるものの、やはり「技術・人文知識・国際業務」のように完全に自立した労働者ではありませんので、受け入れる企業にはそれ相当の受け入れ体制の構築がこと細かく規定されています。その罰則も非常に重くなっています。

要するに「特定技能」は、受け入れが可能な職種が大幅に増えたというアメの部分と法律等で規制されるムチの部分が両輪となった制度である点が特徴といえます。

2.在留管理は厳格化の方向

「特定技能」の受入れが本格化する来年以降、このムチの部分は厳格な運用がされていくことでしょう。しかも、入管法関係にとどまらず、労働法関係、社会保険法関係、税法関係などにも広く及びます。

また、「特定技能」に限らずそのほかの在留資格についても厳格に管理がされていくでしょう。現に、在留資格を取り消される外国人が倍増したということは、当局が今後厳格な制度運用を行っていく意思の表われといえるでしょう。

ちなみに、昨年取消された在留資格は、多い順に「留学」、「技能実習」、「日本人の配偶者等」でした。

「技能実習」や「特定技能」の資格取消し事案ともなればその受け入れ企業にも大変なマイナスとなります。受入れが5年間認められないとか、不法就労助長罪に問われることもあります。そして、外国人従業員がすべていなくなれば会社の存続にも影響しくるかもしれません。

3.最期に

「特定技能」の利用は、労働者不足解消というアメの部分のみならず、罰則の対象となる範囲の広さと罰則の重さといったムチの部分も慎重に検討することも必要です。

ご参考になれば幸いです。

 

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佐々木行政書士事務所