どんなときに在留資格が取消されるのか?対処法は?

在留資格は一定の場合にあてはまると取消されることがあります。また、たとえ取消されなくても、更新や変更が不許可になることがあります。

どのような場合に取消されるのか、そしてその対処法を解説します。

取消の理由は大きく3つです。①虚偽申請に関するもの、②活動の中断に関するもの、③住居地の届出に関すること、です。

なお、永住者であっても取消しの対象になりますので注意してください。

1.在留資格が取消しとなりうる場合

大分類 小分類 具体例 処分内容
虚偽申請に関するもの 1号 上陸拒否事由を隠して入国したこと 上陸拒否事由に関し、入国審査官の判断を誤らせた場合

たとえば、EDカードに「退去強制されたことはない」、「禁止薬物は所持していない」と記載し、上陸許可を得た場合など

上陸後、在留資格の更新や変更許可を得た場合でも適用される

意見聴取のうえ、在留継続もしくは退去強制
2号 在留資格に該当しないのに該当すると偽ること 単純労働目的の者が「技術・人文知識・国際業務」に該当すると申告し、上陸許可を得た場合

日本人との結婚を偽装して日本人の配偶者等への変更許可を受けた場合

就労系の資格で所属機関を偽って許可を得た場合など

3号 上陸許可基準を満たしていないのに満たすと偽ること(前1号及び2号以外) 学歴や職歴を偽るなどして、上陸許可基準を満たす外形を作り出し、在留資格変更許可を受けた場合など 意見聴取のうえ、在留継続もしくは自主出国(出国期間は20日間)
4号 虚偽の内容の文書を提示することなど(前1号から3号以外) 申請者の受入機関が、虚偽の書類を提出して、在留変更許可を受けた場合など(申請者がこのことを知らなくても該当します)
5号 偽り・不正な手段により在留特別許可を受けたことなど 在留特別許可を、虚偽の書類を提出することにより得た場合など
活動の中断に関すること 6号 就労系や活動系の資格をもつ者が、該当活動を3月以上継続して行わないこと 勤務先を自己都合で退職後、求職活動を何らしていない場合など

留学生が休学している場合など

(ただし、現に有する在留資格に係る活動をしないことに正当な理由がある場合は除く)

7号 配偶者としての活動を6月以上継続して行わないこと(日本人の配偶者、永住者の配偶者のみ) 配偶者と離婚または死別した場合や、婚姻の実体が存在しない場合など

(ただし、現に有する在留資格に係る活動をしないことに正当な理由がある場合は除く)

住居地の届出に関すること 8号 新たに中長期在留者となった者が、90日以内に住居地の届出をしないこと (だたし、届出をしない正当な理由があれば、継続して在留が認められる。

たとえば、勤務先の会社の倒産で住居を失った場合、長期入院のため届けられなかった場合、DV被害者が住居地を知られるの恐れて届けなかった場合は、正当な理由が認められやすい)

9号 転居後、90日以内に住居地の届出をしないこと (ただし、届出をしないことに正当な理由がある場合は除く)
10号 虚偽の住居地を届出たこと (正当な理由による救済規定なし)

違反の重大性の点からみると、①虚偽申請で特に1号、2号が最も重く、最悪の場合退去強制となります。

2.在留資格の取消し手続きが開始されたときの対処法

在留資格の取消手続きの開始

あなたの在留資格について取消し手続きが開始されると意見聴取通知書が送られてきます。

そこには、取消しの事由となった原因(事実)が書かれています。

もし、引き続き日本での在留を希望するのであれば、まず入管が認定した違反事実の調書や証拠資料の閲覧を求めてください。そのうえで対策を立てます。

なお、意見聴取手続きに代理人(現在の運用は弁護士のみ、特定行政書士については現在のところ行政見解不明)が出席することもできます。

*2017/3/8現在、代理人は弁護士のみに限るとする運用です。(東京入管に確認済み)

在留資格取消し手続きが始まったとしても、落ち着いて意見聴取に向けて準備してください。

正当な理由があることの説明

在留資格の取消し理由のうち6号から9号までは、正当な理由があれば在留資格は取消されません。

意見聴取の日まで、あるいは6号から9号までに当てはまっていて更新や変更を申請する場合はその申請時まで、正当な理由があることを文書にして証拠とともに提出することが重要です。

正当な理由が認められなくても救済されるケース

審査要領には、在留資格の取消しは「できる」ものであって、必ず行わなければならないものではないとあります。

そして、取消しをするかどうかは、引き続き在留を認めるに足る相当の理由があるか否かによるとしています。

たとえば、6号、7号の一定期間定められた活動を行わないことを理由に意見聴取が行われたけれども、その中で他の在留資格に該当する活動を行っていることが判明し、その在留資格に変更申請すれば許可が見込まれる場合には、在留資格は取消さずに変更申請を受け付ける、とあります。

さらに深く反省していることを表明して誓約書を提出したり、あなたの在留を望んでいる方々からの嘆願書を書いてもらうことも必要です。

3.最後に

もし、在留資格が取消されて自主出国となった場合には、いったん出国してリセットすることも有力な選択肢です。

自主出国ならば、在留資格が取消されてから出国までの30日間は在留資格がなくても適法な在留となりますので、次の入国の障害(上陸拒否事由)とはなりません。

オーバーステイを承知のうえで取消訴訟を提起したとしても、敗訴すれば5年間の上陸拒否事由となります。

ご参考になれば幸いです。

新潟市中央区女池南2-2-10-2C

佐々木行政書士事務所 佐々木啓