入国審査官が留意している5つのこと|審査要領

入国管理局に申請をしたけれど、なにをどのように審査されるのか、不安になりませんか?なにせ見ず知らずの他人が審査するのですから、絶対にOKということ絶対にないのです。

入国管理局では、職員に向けて審査要領を作成し、できるだけ審査官によるバラつきをなくそうと努力しています。

そこで、今回は審査要領から皆さんの役にたつと思われる「入国審査官が留意している5つのこと」をご紹介します。

以下は、すべての審査手続に共通する留意事項として審査要領に記載されているものです。

1.在留資格の活動範囲や上陸許可基準を理解する

  • *在留資格や*上陸許可基準は、我が国の外国人受け入れ政策を具体化したものであることを踏まえて理解する

*在留資格・・・外国人が日本に合法的に居住または滞在できる資格をいいます。

*上陸許可基準・・・日本の産業や国民生活に与える影響を考慮した基準です。在留資格のうち働くための資格はこの基準をみたしていなければなりません。

2.的確な事実認定を行う

  • 事実認定は客観的、公正に行うことが適正な行政処分を行う上で何より重要である
  • 特に、申請に基づく場合は、申請人の申し立てた事実の存否を中心に事実認定を行うことが必要である
  • 申請人に不利な事実があるときは可能な限り反証の機会を与えること
  • 申請人側に立証責任があることは、十分な調査を尽くさず、あるいは反証の機会を与えない理由とはならない

審査は、事実の確認からスタートします。それには、まず申請人の提出した資料をよく調べること、そして申請人にとって不利とおもわれる事実があれば、できるかぎり申請人にそれをくつがえすチャンスを与えることとしています。

2.1 立証資料(書類)による事実認定

  • まず、書類の真偽を判断する
  • 次に、記載内容の真偽について判断する

まず書類が本物かどうか、次に内容が本当かどうか、の2段階で調べます

 2.2 実態調査による事実認定

  • 十分に書類審査を行ったのち、さらに事実を確認する必要があるときは、架電、面接、実態調査をして実態の調査をする

 2.3 蓄積した情報による事実認定

  • 新しい在留管理制度のもとでは、法務大臣は、中長期在留する外国人に関する情報を継続的・一元化して把握しているので、それらの情報を含めて的確な事実認定をする
  • 関連情報は一件の申請に使用されてその役割を終えるのではなく、蓄積されてさらに幅広く活用されることを念頭におく

過去に出した資料と矛盾がないかを調べます

 2.4 社会通念・常識による事実認定

  • 判断に迷うときは社会通念・常識によって判断する

3.認定した事実を法律・規則に当てはめる

  • 行政処分については法令が明示する要件以外の要件は一切あり得ない
  • 調査の結果、当該要件に該当しないことが認定できないにも関わらす、その事実等があることをもって不交付等の処分を行うことは許されない
  • 在留資格の変更や在留期間の更新等については「在留資格の変更、在留期間の更新のガイドライン」に従い、その他の事情も考慮しつつ裁量に基づく判断をする
  • 裁量が認められる処分といっても、その基準は誠実に探求する

「裁量」という言葉がよくでてきます。裁量とは自分(審査官)の意見でとりはからうことを言います。これには判例をもって対抗します。

4.適切な処分を行う

  • 不利益処分をするに当たっては、申請者に対し法令のいずれの要件に適合しないかを明示しなければならない
  • 不法滞在、資格外活動等の問題が多数発生していることを理由として、特定の国籍等に属することをもって一律に不利益処分を行う等法令の定める要件に適合しないこと以外の理由により不利益処分を行うことはできない

 

5.手続きのあり方

  • 行政手続法に定める各規定は可能な限り尊重する
  • 特に、同法に定める行政指導に関する条項は、外国人等の権利利益に関する大きな権限を有している入管行政の執行にあたり留意すべき内容である

まとめ

今回は、入国審査官が全ての在留審査にあたり留意すべき5つことを紹介しました。

審査要領は、入管内部のルールですので法的拘束力はありません。しかし、現場の職員にとっては事実上の拘束力はあります。

ですから、現場の職員がどのような内部ルールに基づいて審査しているかが分かれば、申請者には大きな助けとなります。

どうぞ、申請に役立ててください。

(2016.12.28一部追加)