なぜ嘆願書を入管に出すのがいいのか?

嘆願書を入管に出す人はあんがい少ないかもしれません。

でも、審査官の心証をよい方にむけることが期待できます。難しい案件の場合にはとくに効果を発揮します。

ぜひ、知人や上司に書いてもらってください。

ここでは、その嘆願書になにを書くかがテーマです。

【この記事のポイント】

  • 嘆願書をどう書くか
  • 嘆願書は、関係する人にできるだけ多く書いてもらうと効果的

嘆願書はどう書くか

審査官が嘆願書に期待していること

嘆願書の内容を決めるには、まず審査官が嘆願書に何を期待しているのかを推測しなければなりません。

審査官は、あらかじめ提出が定められた資料を読み込み、それを審査に反映させます。でも、それだけでは申請人がどんな人なのか輪郭がはっきりしません。

そこで嘆願書があれば申請人の人となりを読み取れます。人となりを知る手がかりを期待しているのです。

審査官は「相当性」の判断材料を探している

審査官はさまざまな判断をしますがその中に「相当性」の判断があります。これは、評価を含んだ判断のことをいいます。

「相当性」とは、具体的には、申請人の在留中の活動状況、行状、在留の必要性・許容性などを基礎づける事実の評価のことです。

簡単にいってしまえば、この申請人は在留中これこれのことをしていた、それをふまえてこの申請を認めるのが妥当か、という判断です。

「相当性」とは条文にない基準です。規範的要件といったりもします。

審査官は、嘆願書の内容からこの「相当性」を読み取ろうとしているのです。

そこで結論です。

嘆願書に書くべき内容は、申請人の在留中の活動状況、行状、在留の必要性・許容性などを基礎づける事実であって、「相当性」の判断に良い影響をあたえる事実です。

(ですので、入管行政に対する不平不満はNGというかまったく無意味です。)

具体的にどう書けばいいのか

さて、ここからは書く具体的な内容です。

まず、申請人の活動状況・行状です。

その人のいいところを思い浮かべてください。ありがたいと思ったこと、いい人だなと思ったこと、あると思います。そのことを書きましょう。

でもここが肝心です、単に、いい人ですですというだけでは伝わりません。

そうではななくて、〜してくれたとても誠実で、親切な人、というように事実(エピソード)をかならず書きます。信憑性、説得性がぐっと増します。

次に、必要性・許容性です。

この人がいないとダメ、というのが必要性です。代替がきかないということですね。家族であればあたりまえのことです。また、会社であれば有能で勤勉な社員ということでしょうか。

そして、この人を受入れる環境がある、というのが許容性です。たとえば、サポートしてくれる友達がおおぜいいるとか、安定した仕事があってオーナーもすべてを理解したうえでこれからも雇ってくれるとか、といったことです。

いずれも具体的な事実を示して書くことがコツです。

嘆願書は、関係する人にできるだけ多く書いてもらうと効果的

嘆願書はこんなときに用意する

嘆願書は、あらゆる申請(認定、更新、変更、永住許可、特別在留許可)に使用可能です

そして、申請の内容に少しでも問題があるならば、嘆願書で審査担当官の心に積極的に働きかけましょう。

誰に書いてもらうか

親族と同居しているのであれば、同居している配偶者、親または子から嘆願書を書いてもらうといいでしょう。

同居している人が、申請人と良い関係を築いていることはプラスの事情です。その証拠となる写真があればぜひ提出してください。

近所で親しいお付き合いのある方、職場の同僚や上司などからの嘆願書はより効果的です。

将棋の天才羽生善治さんが、チェスの天才フィッシャーの解放(当時、オーバーステイで身柄拘束)を小泉首相に嘆願したことはよく知られています。

嘆願書は書いてもらう方一人ひとり内容が異なっているのが理想的です。

そして、嘆願書はできるだけ多くの人から書いてもらいたいものですが、頼まれた人にすれば何をどう書くかなかなか難しいものです。そこで、次善の策として下記の嘆願書を使うことがあります。

あらかじめ案文を用意して、署名だけすればよいような形にしておく方法です。そして、署名欄は10個くらい用意して回覧で署名をしてもらいます。この場合、署名が多く集まれば集まるほど、審査官に対するアピール効果が期待できます。(ただし、あくまで便宜的なものです)

(複数の人に書いてもらう場合の例)

嘆 願 書

平成     年    月   日

法務大臣 殿

私たちは、    さんとは公私にわたって大変お世話になっています。

このたび、       さんが永住許可申請をすると聞き、少しでもお役に立てればと思いここに連名で署名することにいたしました。

つきましては、    さんのこのたびの永住許可申請につきまして、貴職におかれましては格別のご配慮を賜りたく、なにとぞお願い申し上げます。

以上

名前  〇〇 〇〇       住所  〇〇市〇〇 123-4

     :                  :

嘆願書という名前にこだわることはありません

嘆願書という名前にこだわる必要はありません。

推薦状、上申書、請願書、お願いなど、なんでもいいです。とにかく、申請を許可してあげてほしいことと、その理由を正直な言葉で表現さえできていればかまいません。

嘆願書に限らず、有利な資料はすべて提出する

入管は日本国民を相手にした行政サービスではありません。

市民目線ではなく、国益を視野に入れている役所だということを忘れてはいけません。市役所などと違って手取り足取り教えてくれることは絶対にありません。

入管のHPに書かれている提出書類のほかは、資料を提出してはいけないというルールはありません。

申請に有利な事情や書面はすべて提出しましょう。ただし、提出する書類が多くなるほど書類間の整合性、つまり、矛盾がないかには注意してください。

まとめ

嘆願書は、審査官の心を動かす効果的なツールです。

ひとり一人内容が異なることがベストですが、連名でも十分効果があります。

そして、有利な資料はすべて提出しましょう。

ご参考になれば幸いです。

新潟市中央区女池南2-2-10-2C 佐々木行政書士事務所

2018年9月12日改訂

2017年3月31日改訂

投稿者: 佐々木啓

入管への申請は、外国人にせよ日本人にせよ、その方の人生に大きく関わる仕事であることを肝に銘じて日々業務に取り組んでいます。