新たな在留資格について(骨太の方針)

政府は平成30年6月15日、あらたな外国人材の受入れについての基本方針を閣議決定しました。そこで、何が決まったのか?簡単にまとめます。

1 就労を目的とした新たな在留資格の創設

これまで外国人が日本で働くには高度の専門的技能・技術・知識が必要とされていました。

しかし、現実には技能実習制度で未熟練の外国人の労働力に頼ってきました。

ただ、それもいよいよ深刻な労働力不足が目前にせまり、それほど高度な専門性をもたなくても外国から労働力を呼び寄せることが必要になってきました。

中小企業・小規模事業者をはじめとした人手不足の深刻化への対応が急務だからです。

それでは、以下閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018」いわゆる骨太の方針の項目建てに従って内容をコンパクトに見ていきます。

① 外国人材の受入れる業種を予め定める

具体的な業種について基本方針のなかでは挙げられていませんが、新聞報道によると建設や農業、介護、宿泊、造船などです。

また、これ以外の業種に広がる可能性もあるようです。

② 業種ごとに受入れ方針を定める

政府の業種横断的な方針をふまえ、各所管省庁において業種の特性を考慮した受入れ方針を定めるとされています。

受入れ方針とは、受入れるための要件、条件のことです。

③ 求められる技能水準と日本語水準

技能水準は業を所管する省庁が定める試験等によって確認するとされています。

日本語水準はある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度であるかを日本語能力試験等により確認し、加えて業種別に必要な日本語能力水準を考慮するとされています。

ただし、技能実習(3年)を修了した者については、必要な技能水準および日本語能力水準を満たしているものと扱います。つまり、技能実習を3年経験した2号技能実習修了者は、その業種については事実上フリーパスとなることのようです。

たとえば、建設関係の技能実習を3年経験した者は、当該建設関係業務に関する限り技能水準および日本語能力水準は不問になると思われます。

④ 保証金を徴収するなどの悪質な紹介業者の介在を排除し、有意な外国人材の送出しを確保する

説明するまでもなく、現地の悪質な送出し機関の排除です。当然のことですね。

⑤ 外国人材への支援と在留管理等

・受入れ企業や法務大臣が認めた登録支援機関が主体となって支援を行う仕組みを設ける。例:生活ガイダンスの実施、住宅の確保、生活のための日本語習得、相談・苦情対応、各種行政手続きに関する情報提供など。

・労働行政による適正な雇用管理のための相談、指導等を行う。

・日本人との同等以上の報酬の確保等が必要。

⑥ 家族の帯同および在留期間の上限

・家族の帯同は認めない(原則)。

・在留期間の上限は通算5年とする(原則)。

・ただし、一定の試験に合格するなどより高い専門性を有すると認められれば、現行の在留資格への移行を認める。これにより、家族の帯同も可能となり、在留期間の上限は付さないことになる(期間更新は当然必要です)。

2 従来の外国人材受入のさらなる促進

・留学生の国内での就職の促進

・介護職について、入国1年後の日本語要件の緩和

・クールジャパン関連産業での外国人材の受け入れ促進

・外国人材の起業の促進

3 外国人の受入れ環境の整備

わが国で働き、生活する外国人について、多言語での生活相談の対応や日本語教育の充実をはじめとする生活環境の整備を行う。

4.まとめ

新聞報道では、政府は、早ければ秋の臨時国会に関連法案を提出し来年2019年4月から実施したい考えとあります。

ただ、今回公表されたのは基本方針ですので、これ以上のことは明らかにはなっていません。法案だけは成立させて、細部については指針や解釈といったものに丸投げされる可能性もあります。

いずれにせよ、この件については今後も引き続き注目していきます。

さらに詳しくお知りになりたい方は、内閣府のHPをご覧ください。

 

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佐々木行政書士事務所