現場報告!ワーキングホリデーからの在留資格変更

ワーキングホリデー(特定活動)で滞在している方の在留資格変更の申請はどの国の出身者でも可能です。ただ、実をいうとこの結論に達するまでさまざまな見解の相違があって振り回されました。今回はそのことをご紹介します。

<この記事のポイント>

審査要領と違う現場の取扱い

はじめに結論をいいます

はじめに結論をいいます。どの国・地域からであってもワーキングホリデー(特定活動)から在留資格変更は可能です。(2017.4.27現在)

たとえ在留資格の変更ができないという二国間の取り決めがあったとしてもです。

※ たとえば、香港、台湾、イギリス、フランス、ノルウェー、アイルランドなどは変更ができないとの二国間協定がある国です。

これらの国・地域からの方でも変更申請は受理されます。これが結論です。

※ あくまで、受理です。許可ではありません。許可されるためには在留資格ごとに決められている要件をクリアしなければなりません。

変更申請ができるメリットは、特例期間の適用を受けられることです。

※ 特例期間とは、在留期限を過ぎても結果がでるまで、あるいは在留期限から2か月を過ぎるまでの間、適法な在留とされる制度です。

これ以降の記述は、以上のような結論になった私のバタバタ劇です。結論だけ知りたい方は変更申請は可能と覚えておけば大丈夫です。

でも、私にとってはこの結論にいたるまでの過程は衝撃的であったのでご紹介したいとおもいます。

ワーキングホリデーとは

ワーキングホリデーとは、二国間政府の取り決めで若者が相手国の文化や生活様式を理解するために一定期間の休暇を過ごす活動と、そのための資金を補うための報酬を得る活動を可能にする制度です。日本では特定活動の在留資格が認められます。

日本でのワーキングホリデーは相手国との取り決めにしたがい、1年または6か月間の滞在が認められます。アルバイトは可能ですが、就職はできません。

※ アルバイトに時間制限はありません。留学生の資格外活動のように週28時間以内といった制限はありません。ただし、就職するとなると就労が主たる活動となりますので就労ビザへ変更が必要です。また、滞在期間の延長(更新)はできません。

さて、この記事は審査要領と各地の入管の見解が異なること驚いた!ということがきっかけで書いています。

いままで、信じていた人(審査要領)にソデにされてウッソーてな感じです。

それでは始めますね。

なぜこうも見解が違うのか

ワーキングホリデーは、二国間政府の取り決めですので国ごとに内容が異なります。

問題となるのは、取り決めの中で「在留資格を変更することができない」とされている国や地域から来ている方の在留資格変更申請が可能かどうか、という点です。

※ 変更申請ができないとなると、在留期限がくればいったん帰国しなければなりません。在留資格認定申請などの方法はありますが、特例期間の適用はありませんので在留期限がくれば申請中であってもやはり帰国しなければなりません。。また、在留期間更新もできません。

この点については以下のように様々な見解があります。

審査要領では

協定等により在留資格を変更することができないとされている国・地域の者からの申請については在留資格認定証明書の交付申請を案内する。(審査要領)

協定は二国間で結ばれますのでそれぞれ内容が異なります。ですから協定によっては、ワーキングホリデー期間が終了したら帰国するのが当然ですよという意味で在留資格の変更を認めていない国もあります。

こんな場合は在留中に、在留資格認定証明書の交付申請をしたうえで、もし在留期間内に在留資格認定証明書が交付されれば、これをもとに在留資格の変更をすることができます。

もし、在留期間内に在留資格認定証明書が交付されない場合は、いったん帰国することになります。

これが、基本です。

しかし、ここで念のため東京入管新潟出張所に確認しようとおもい電話を入れてみると、話が微妙に違うのです。

東京入管新潟出張所の回答

まず、「協定書で変更が不可とされているのであるから、帰国する必要があります。」と言われました。つづいて、

ただ、「日本人の配偶者等への変更を希望している場合は、特別な事情ありとして在留資格認定証明書の交付申請ができます。変更申請ではなく認定申請です。」では就労系の資格への変更はと聞くと、

「就労系の在留資格に変更を希望する場合は在留資格認定証明書の交付申請もできません。必ずいったん帰国してください。」

との回答でした。

審査要領では、変更する在留資格によって扱いが異なるという記述はありません。それなのに、身分系(日本人の配偶者等)と就労系に分けて扱いをことにするのはなぜ???

でも、在留資格の変更を不可とする二国間取り決めがある場合には、在留資格の認定申請を案内するという点では審査要領に沿うものでした。

さて次に、驚きなのが東京入管永住審査部門です。審査要領を完全無視しています。

東京入管永住審査部門の回答

変更を不可とする国・地域があることは承知しているが、そのような国・地域の者からの変更申請であっても受理します。そのうえで、変更する特別の事情があるかないか(在留資格該当性も含め)を判断します。」

※ えっ、審査要領では変更申請ではなく認定申請を勧めていますよね?これでは、二国間協定を無視することになりませんか?と言いたいのをぐっと我慢しました。こちらとしては、変更申請ができるほうが有利だからです

正直驚きました。これまで、入管は審査要領に従って審査をしているものとばかり考えていたのですがこれを機に考えを改めなければならないようです。

結局は東京入管の各審査部門の見解による

東京入管永住審査部門は、新潟出張所の上位組織ですから結局は東京入管の永住審査部門の見解に従うというのが正解でしょう。

しかし、ここまで見事に見解が分かれるというのも...初めての経験です。

※ なお、他のHPには変更不可の協定がある国・地域であっても変更申請ができたとの記述を見つけました。

審査要領を細かくみると、「在留資格認定証明書の交付申請を案内する」とあり、変更申請を拒否するとまでは書かれていません。

「案内する」とはなんとも入管らしくない表現ですね。普通はもっと断定的な表現をするものです。

いずれにしても、協定等で在留資格が変更できないとされている国・地域からであっても、在留資格変更許可申請はできるというのが結論です。

まとめ

これまで、審査要領が絶対のものと考えてきましたが、それとは異なる取扱いをするケースもあるようです。

ですので、特殊な事例では出先機関ではなく東京入国管理局に直接確認することの必要性を痛感しました。

法令や審査要領に決めがない分野は現場の運用が先例となることは分かりますが、これと異なる運用がされていることに正直驚きでした。

法令や審査要領が基本であることには変わりありませんが、入管に直接確認することの重要性を改めて思い知らされた一件でした

ご参考になれば幸いです。

新潟市中央区女池南2-2010-2C

佐々木行政書士事務所 佐々木 啓

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